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NHK高校講座「日本史」に記述された友愛会の意味、それは「労働者の人格承認の要求」!

NHK高校講座「日本史」に記述された友愛会の意味、それは「労働者の人格承認の要求」!

 1912(大正元)年に鈴木文治らが創立した友愛会は、日本労働運動の源流とされ、現在の連合(日本労働組合総連合会)へと発展しています。

 このため友愛会は今日、多くの教科書や辞書に掲載・紹介されています。しかし、限られた字数・行数の中、事実だけの簡潔な紹介に止まることが多いようです。また、岩波書店「広辞苑」のように友愛会は、「初めは共済・修養機関の色彩が強かった」と説明されることが一般的です。しかし、このような記述・解説は、友愛会の意味や理念について誤解を招く嫌いもあります。

 このような中、NHK高校講座「日本史」(2006年)は、「37 大正期の社会」の「友愛会の結成」(同書80頁)で、以下のように記述しています。これは友愛会の意味が「労働者の人格承認の要求」にあったと喝破しており、注目される記述です。

 「明治から大正に改元された直後の1912(大正元)年81日、キリスト教の伝道にあたりながら社会問題に関心を寄せていた鈴木文治は、のちに日本の労働組合運動の中核となる友愛会をわずか15人の参会者で立ち上げた。

 当時、労働者が「一般社会」から「職工風情」と蔑まれ、「社会の最下等動物」のごとく見なされていたことに対し、労働を国家や文明を支える「神聖」なものとしたうえで、労働者自身の「相愛扶助」「識見の開発、徳性の涵養、技術の進歩」「地位の改善」によって差別と偏見を取り除いていこうとしたのである。それは、工場主や資本家に対して、同じ人間であることを認めてもらいたいという人格承認の願いでもあった。友愛会は結成から4年余で会員数が2万人に達し、人格承認の要求がいかに多くの働く人びとの心をとらえていたかがわかる。お互いに対等・平等な人間として認めあうことの大切さに、人びとは気づき始めていたのである。」NHK高校講座「日本史」(2006年)・「37 大正期の社会」・「友愛会の結成」)

 

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