友愛労働歴史館は先達者のメッセージを読み取り、再発信します!

TEL.050-3473-5325

〒105-0014 東京都港区芝2-20-12 友愛会館8階

ニュース

波多野鼎氏(農相、経済学者)、その他の方の資料寄贈を受ける!

 友愛労働歴史館はこの程、片山内閣(1947年、日本社会党中心の連立内閣)で農林大臣を務めた波多野鼎氏(経済学者、社会思想研究者)の関連資料(写真、その他)の寄贈を受けました。これは当歴史館がHPで「波多野鼎氏の資料を探しています」と掲載したのを読んだ波多野鼎氏ゆかりの人からの連絡により実現したものです(下記写真の中央が片山哲、左隣が波多野鼎)。

 また当歴史館は、同月にUAゼンセン東京都支部を介し、故和田正氏(UAゼンセン出身で連合東京会長などを歴任)の資料の寄贈を受けました。さらに連合副事務局長などを歴任し、労働運動・婦人運動で活躍した故高島(塩本)順子氏の資料寄贈を、複数回に亘って受けました。

 友愛労働歴史館は①友愛会から連合までの民主的労働運動の関連資料、②社会民衆党から日本社会党・民社党までの民主社会主義政党の関連資料、③ユニテリアン教会・惟一館ゆかりの社会運動の関連資料の収集を行っています。関連資料をお持ちで、ご寄贈をいただける方は、ぜひ友愛労働歴史館までご一報ください。

重盛親聖氏を講師に第17回政治・社会運動史研究会を開催、3月2日!

友愛労働歴史館は重盛親聖氏(労働運動家、民社党地方活動家・地方議員)を招き、3月2日(金)15:00~16:30に友愛労働歴史館研修室で第17回政治・社会運動史研究会を開催しました。テーマは「民社党時代を語る」(共通テーマ)。

重盛親聖氏は1937(昭和12)年生まれの80歳。造船重機労連IHI労組出身。広島県呉地区同盟専従8年。また、民社党広島県連副委員長などを歴任し、呉市会議員を6期務めています。2017年に長年の地方議員としての活動が認められ、旭日雙光章を受章しています。

研究会で重盛親聖氏は1時間余に亘り、①自らの生い立ちと西尾末廣との出会い、②民社党の活動で学んだことなどについて報告し、その後、参加者との間で意見交換・質疑を行いました。

 

 

福澤諭吉と友愛会(現在の連合)!

友愛会系労働組合の歴史資料館である友愛労働歴史館の常設展「日本労働運動の100年余―」(2012.8.1~)は、最初に福澤諭吉の肖像画と色紙「独立自尊」を飾っています。このため見学者から「福澤諭吉と友愛会は関係があるのか」、と質問されることがあります。しかし、両者の間に直接の関係はありません。友愛会の創立は1912(大正元)年で、福澤諭吉は1901(明治34)年に亡くなっています。

ではなぜ福澤諭吉は、友愛会ゆかりの人と位置付けられているのでしょうか。それは①友愛会(現連合)がユニテリアン教会・惟一館で、ユニテリアンの鈴木文治により創立されたこと、②そのユニテリアン教会の建設を支えたのが福澤諭吉だということ、③福澤諭吉の「独立自尊」が、ユニテリアン教会の「自己信頼」や友愛会の理念(自由、自主独立、人格の向上)と通底していること、などによります。

福澤諭吉は明治20年、米国ユニテリアン協会(キリスト教の一派)を招聘し、彼らが明治27年にユニテリアン教会(東京・芝、現友愛会館)を建設するのを支えました。もしもユニテリアン教会がなければ、後に鈴木文治が教会職員として働くこともなく、結果として友愛会を創立することもなかったと考えられます。

また、福澤諭吉の「独立自尊」は、鈴木文治に共有され、友愛会の理念「自由、自主独立、人格向上」に大きな影響を与えたと考えられます。友愛会が今日、友愛組合・人格向上主義労働組合と呼ばれるのは、「組合員、労働者の人格の向上」を労働組合の目的・役割としているからです。

繰り返しになりますが、福澤諭吉と友愛会に直接の関係はありません。しかし、友愛労働歴史館は、①福澤諭吉がユニテリアン教会を支え、友愛会誕生の切っ掛けを創ったこと、また②福澤の「独立自尊」が友愛会の理念に通底していること、により福澤諭吉を友愛会ゆかりの人と位置付けているのです。

片山哲著『大衆詩人 白楽天』・同『白楽天―東洋の詩とこころ―』、真鶴の漢詩碑!

友愛労働歴史館が開催中の企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」(2018.1.5~6.29)の主人公、片山哲(1887.07.28~1978.05.30)はクリスチャン、弁護士、政治家として活躍しましたが、一方で東西の古典に通じており、特に中国・唐の詩人・白楽天に傾倒したことはよく知られています。

片山哲は白楽天に関する著書を2冊出版しています。一冊は岩波新書(岩波書店)の『大衆詩人 白楽天』(1956年刊行)、もう一冊は現代教養文庫(社会思想研究会出版部)の『白楽天―東洋の詩とこころ―』(1960年刊行)です。

片山は自ら作詞もしており、真鶴の自然の美しさを詠んだ漢詩「我年来好鶴清浄 黄鶴迎我登霊峰 真鶴飛舞姿景勝 清節守道愛鶴岬」(1968年秋11月 片山哲)の詩碑が、神奈川県・真鶴町の中川一政美術館近くに建立されています。

片山哲の色紙「高遠の理想 耐乏の生活」、「政界に梅一輪の清楚あれ」!

友愛労働歴史館は現在、企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」(2018.1.5~6.29)を開催しており、片山哲の色紙も展示しています。

その中の2枚の色紙を紹介いたします。片山哲が和田一仁氏(故人、衆議院議員)へ贈ったもので、「高遠の理想 耐乏の生活」、「政界に梅一輪の清楚あれ」の2 枚です。何れも片山哲らしい言葉です。特に「高遠の理想 耐乏の生活」は、「日本社会主義運動の父」とされ、片山哲が兄事した安部磯雄(早大教授、政治家、社会民衆党委員長、ユニテリアン。「日本野球の父」)が好んで揮毫した言葉とされています。

和田一仁氏は片山哲が書記長を務めた社会民衆党(1926年結党、後の右派社会党・民社党の前身)時代からの盟友、和田操(クリスチャン、東京市議会議員、和田印刷経営者)の子息で、民社党で衆議院議員を務めたクリスチャンです。

 

池畑英雄氏(元同盟、元民社党)が昨年12月31日に逝去!

 友愛労働歴史館の第13回政治・社会運動史研究会(2017.02.21)で講演「同盟・民社党を振り返って」を行った池畑英雄氏(19322017)が、昨年1231日に逝去されました。告別式・通夜は16日・7日に執り行われました。

 池畑英雄氏は早稲田大学雄弁会の先輩、浅沼稲次郎に憧れて農民運動、労働運動に取り組み、同盟政治局長や核禁会議事務局長、民社党労働局副局長などを歴任した労働運動家・政治活動家でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。

庭に咲き野山に咲くもかわりなし 梅の薫にあこかるるかな(片山哲)!

友愛労働歴史館は現在、片山連立内閣(1947年)で首班を務めた片山哲(1887.7.281978.5.30。クリスチャン、弁護士、政治家)の没後40年、片山内閣崩壊70年を記念した企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」(2018.1.56.29)を開催中です。

 同展展示物の一つに、片山哲が和田一仁氏(元民社党衆議院議員、戦前からの盟友和田操の子息)に贈った短歌(色紙)を展示しています。

 それが「庭に咲き野山に咲くもかわりなし 梅の薫にあこかるるかな」の短歌で、社会党内左派の反乱で片山内閣が総辞職に追い込まれたときの心境を詠んだものです。

 一人の政治家として政権に汲々とせず、民主主義と平和に憧れ続けた片山哲の心境が伝わってくる歌です。

企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」が本日オープンしました!

明けましておめでとうございます。今年も友愛労働歴史館をよろしくお願いします。

さて本日から企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」(2018.1.5~6.29)を開催いたします。今年は片山内閣の崩壊から70年、片山哲の没後40年となります。このため友愛労働歴史館は片山哲・片山内閣を取り上げた企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」(2018.1.5~6.29)を開催します。

第1部では片山哲の90年の生涯を、写真や解説パネルで紹介します。クリスチャン、弁護士、政治家として生きた片山哲は、人々の人権と社会正義をめざし、また平和と民主主義のために生涯を捧げました。また、彼は一方で、唐の詩人・白楽天に傾倒し、文人宰相と呼ばれました。

第2部では片山内閣の誕生と崩壊について、解説パネルなどで紹介します。1947年に成立した片山連立内閣は、結果として短命に終わり、今日までその評価は必ずしも高くありません。しかし、片山内閣は積極的に民主化政策を進め、片山哲は「戦後民主化のリーダー」と呼ばれています。

第3部では片山内閣を支えた人々を紹介します。鈴木義男司法大臣、森戸辰男文部大臣、水谷長三郎商工大臣、米窪満亮労働大臣、西尾末廣内閣官房長官らがおり、また松岡駒吉は衆議院議長として片山内閣を支えました。彼らを写真や解説パネルで紹介します。

今回の企画展で「戦後日本の民主化をリードした片山哲」を見つめ、片山内閣とそれを支えた人々について、一考していただければと思います。

2018年1月5日 友愛労働歴史館 館長 徳田 孝蔵

友愛労働歴史館は本28日が仕事納め、1月5日(金)に開会します!

 友愛労働歴史館は本28日が仕事納めです。この一年間のご愛顧に感謝いたします。お陰様で上期の企画展「内ケ崎作三郎―教育者・牧師・政治家の生涯―」(2017.01.06~06.30)、下期の企画展「賀川豊彦と友愛会・総同盟」(2017.7.6~12.22)とも無事に閉会を迎えることができました。

 なお、友愛労働歴史館は1229日(金)から14日(木)まではお休みし、15日(金)からは新しい企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」(2018.1.56.29)を開催いたします。どうぞご来館、ご見学いただければと思います。

1月5日から企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」を開催します!

 友愛労働歴史館が開催中の企画展「賀川豊彦と友愛会・総同盟」(2017.7.612.22)は、明日22日(金)に閉会します。そして来年15日(金)からは企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」を開催いたします。

 2018年は片山哲(1887.07.281978.05.30)の没後40年、片山連立内閣(1947.5.241948.3.10)の崩壊から70年となります。友愛労働歴史館はこれを記念し、クリスチャン、弁護士、政治家として活躍し、戦後日本の民主化をリードした片山哲を取り上げ、企画展「戦後民主化のリーダー 片山 哲」(2018.01.0506.29)を開催します。