友愛労働歴史館は先達者のメッセージを読み取り、再発信します!

TEL.050-3473-5325

〒105-0014 東京都港区芝2-20-12 友愛会館8階

ニュース

阿部静枝(歌人、社会運動家)の資料を求めています!

友愛労働歴史館は友愛会・総同盟ゆかりの人々のメッセージを読み解き、再発信することをめざした歴史資料館です。現在、当館は阿部静枝(歌人、社会運動家)に関連する資料を集めています。

阿部静枝は1899年2月28日、宮城県登米郡に生まれ、宮城県立第一高等女学校、東京女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)を卒業しています。歌人として知られ、同時に夫・阿部温知(弁護士、政治家)とともに戦前の無産政党運動に参加。社会民衆党(委員長:安部磯雄、書記長:片山哲)の婦人組織、社会民衆婦人同盟の結成(1928年)には赤松明子、赤松常子らとともに参加しています。

戦後も歌人として活躍する一方、社会運動にも積極的に参加し、豊島区議を務めるなど社会民衆党→日本社会党→民社党の一筋の道を歩んでいます。1974年8月31日、急逝。享年75歳。今年は阿部静枝の没後40年となります。

阿部静枝に関する資料(歌集などの書籍、写真、社会運動関連資料、その他)をお持ちの方は、当館に寄贈いただくか、寄託をしていただければと思います。Eメールで当館までご一報ください。

当歴史館は4月29日、5月1日、5月3日~6日が休館です!

友愛労働歴史館の開館は原則平日(10:00~17:00)であり、土日・祝日は休館となります。但し、現在開催中の企画展「ジョサイア・コンドルと惟一館、山口文象と青雲荘」では、土曜日(10:00~16:00)も開館しています。

4月28日(月)から5月6日(火)までの連休期間中は、4月29日(昭和の日)、5月1日(メーデー)、5月3日~6日(憲法記念日、みどりの日、こどもの日、振替休日)で当歴史館は休館となります。

講演会「松岡駒吉、山口文象が青雲荘に込めたメッセージ」を5月27日に開催!

友愛労働歴史館は5月27日(火)午後、「松岡駒吉、山口文象が青雲荘に込めたメッセージ」と題した講演会を開催いたします。講師は山口文象の研究者、伊達美徳氏です。

昭和11年7月、総同盟の松岡駒吉(日本労働会館初代理事長)は日本で最初の労働組合によるアパート、病院となるアパートメントハウス青雲荘・友愛病院(現在の友愛会館)を建設します。設計は当時、新進気鋭のモダニズム建築家として知られた山口文象です。

これにより東京・芝の地には、外国人建築家の和風建築・日本労働会館(旧ユニテリアン教会・惟一館。明治27年3月。設計はジョサイア・コンドル)と、日本人建築家の洋風モダン建築・青雲荘が並び立つ「特異な風景」(伊達美徳氏)が出現しました(昭和20年、東京山の手大空襲で焼失)。

今回の講演会では山口文象研究者・伊達美徳氏をお招きし、松岡駒吉や山口文象が青雲荘・友愛病院に込めたメッセージを読み解いていただきます。松岡駒吉には「快適で安価な住宅」「医療の社会化」というメッセージがあり、「いつも社会に目を向けていた建築家」と評された山口文象には「労働者のために快適な住まいを」とのメッセージがあったのです。

<友愛労働歴史館・労使関係研究協会共催講演会>

と き:2014年5月27日(火)14:00~16:00

ところ:友愛労働歴史館研修室(友愛会館8階)

テーマ:「松岡駒吉、山口文象が青雲荘に込めたメッセージ」

講 師:伊達 美徳 山口文象研究者

その他:参加費無料、先着40名。労使関係研究協会との共催。参加希望者

は友愛労働歴史館までEメールか電話で申し込んでください。

Eメール  yuairodorekishikan@rodokaikan.org

講演会「山口文象のメッセージ」、2014.05.27

メールレポート「友愛労働歴史館たより」第79号を発信しました、4月5日!

友愛労働歴史館は4月5日(土)、情報提供のためインターネット上で配信しているメールレポート「友愛労働歴史館たより」第79号を発信しました。内容は以下の通りです。なお、メールレポート「友愛労働歴史館たより」の配信を希望される方は、友愛労働歴史館までご一報ください。

<メールレポート「友愛労働歴史館たより」第79号、2014.04.05>

1.松岡駒吉が青雲荘アパート・友愛病院に込めたメッセージ!

2.「友愛会創立を記念する会」幹事会開く、4月4日!

3.連載「日本労働会館物語」第47回(惟一館に結集した人々ー百折不撓の人・西尾末広)!

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福澤諭吉と友愛会・鈴木文治の関係!

友愛会(大正元年、鈴木文治により創立)系労働組合の歴史資料館である友愛労働歴史館には、友愛会を支えた安部磯雄、賀川豊彦、新渡戸稲造、吉野作造、クレイ・マッコーレイ牧師(ユニテリアン教会)、キャロライン・マクドナルド女史(日本YWCA創設者)らの肖像画がとともに、福澤諭吉の肖像画も掲げられています。福澤諭吉と友愛会、鈴木文治は何らかの関係があるのでしょうか。

1.福澤諭吉はユニテリアンを支え、友愛会誕生のきっかけを創った

明治20(1887)年、福澤諭吉らは米国ユニテリアン協会のアーサー・メイ・ナップ牧師を招聘。そして明治22(1889)、クレイ・マッコーレイ牧師らが来日し、明治27(1894)年には福澤らの支援を得て、東京芝の三田四国町にユニテリアン教会・惟一館を建設します。彼らは標語「至誠・正義・雍穆」を掲げ、ユニテリアン・ミッションをスタートさせます。

後に惟一館で大正元(1912)年、鈴木文治(当時、ユニテリアン教会職員、マッコーレイ牧師秘書)が友愛会(後の総同盟、同盟。現在の連合)を創立し、日本の労働運動がスタートします。友愛会創立は、「ユニテリアン・ミッションの一つ」とされています。

こうした経緯からもしも福澤諭吉がいなければ、ユニテリアンが惟一館を東京・芝の地に建設することはなく、惟一館がなければ鈴木文治が友愛会を創立することもなかった、と推測されます。この意味で福澤諭吉は、友愛会誕生のきっかけ創った人とされているのです。

2.福澤諭吉の「独立自尊」は、友愛会綱領と通底している

福澤諭吉が「友愛会ゆかりの人」とされている二つ目の理由は、彼の「独立自尊」という考えが、鈴木文治の友愛会綱領と通底していることによります。明治33(1900)年、福澤諭吉は明治政府の「教育勅語」に反発し、門下の人々に「修身要領」をまとめさせます。この「修身要領」の基調となっているのが「独立自尊」で、これは「人に頼らず己の力で事を行い、自己の人格・尊厳を保つこと」とされ、「福澤諭吉の教えの根本を一言で言い表したもの」とされています。

鈴木文治は友愛会綱領第2項で「我等は公共の理想に従い、識見の開発、徳性の涵養、技術の進歩を図らんことを期す」と書いていますが、これは「人間性と職業能力の向上」を謳ったものとされ、福澤諭吉の「独立自尊」に通底しているとされます。鈴木文治は後に慶応義塾で行った講演の中で、「福澤諭吉の「独立自尊」に大いに共感している」と述べており、この意味で福澤諭吉は友愛会の理念的先達者とされています。

 

福澤諭吉様鈴木文治様

コンドルの和風クラシック建築と山口文象の洋風モダン建築が並び立っていた「特異な風景」!

昭和11年から昭和20年までの9年間、東京・芝の地にはコンドルが設計した惟一館(旧ユニテリアン教会・惟一館)と山口文象が設計した青雲荘アパート・友愛病院が並び立っていました。

この外国人建築家の和風クラシック建築と日本人建築家の洋風モダン建築が並び立つ風景は、建築家の間で「特異な風景」とされました。その「特異な風景」をイメージしていただきます。

●青雲荘1936年と日本労働会館1937年の合成20140220_R

労働組合による日本最初のアパート、病院はなぜ建設されたか!

友愛労働歴史館は現在、企画展「ジョサイア・コンドルと惟一館、山口文象と青雲荘」を開催中ですが、今回の企画展のポイントの一つは友愛会・総同盟はなぜ青雲荘アパート・友愛病院を建設したのか、ということです。
昭和11(1936)年7月、総同盟は労働組合による日本最初のアパート、病院となる青雲荘・友愛病院を建設します。設計は当時、新進気鋭のモダニズム建築家として注目を集めていた山口文象。依頼者は総同盟会長で㈶日本労働会館理事長の松岡駒吉です。
今回の企画展では松岡駒吉が、青雲荘にどのようなメッセージを込めて建設したのかを明らかにしています。

青雲壮(外観1)写真提供・(株)アール・アイ・エー - コピー

企画展「コンドル、山口文象」の4つの見学ポイント!

友愛労働歴史館が3月10日(月)から開催している企画展「ジョサイア・コンドルと惟一館、山口文象と青雲荘」(2014.03.10~2014.08.30)では、4つの見学ポイントを紹介しています。

1.昭和11年から昭和20年までの9年間、外国人建築家(コンドル)の和風クラシック建築と日本人建築家(山口文象)の洋風モダン建築が並び立っていた「特異な風景」をイメージしていただきます。

2.惟一館は、その和風クラシックデザインから「特異な建物」「和洋折衷でミョウチクリン」と評されてきました。この惟一館に、建築家ジョサイア・コンドルと発注者クレイ・マッコーレイ(ユニテリアン教会牧師)がどのようなメッセージを込めたのか、を読み解っていただきます。

3.昭和11(1936)年、労働組合による日本で最初のアパート、病院として青雲荘・友愛病院(設計:山口文象)が建設されます。この青雲荘・友愛病院に、建築家山口文象と発注者松岡駒吉(総同盟会長、日本労働会館理事長)がどのようなメッセージを込めたのか、を読み解っていただきます。

4.重田喜孝氏の水彩画やミニ木版画「港区・芝界隈10景」により、惟一館から友愛会館への120年の変遷を見つめ、明治・大正・昭和の芝界隈の風景を楽しんでいただきます。

「コンドル」展チラシ_R

企画展「コンドルと惟一館、山口文象と青雲荘」をオープン、3月10日!

友愛労働歴史館は3月10日、企画展「ジョサイア・コンドルと惟一館、山口文象と青雲荘」をオープンいたしました。今回の企画展は、2014年が友愛会館の前身であるユニテリアン教会・惟一館(コンドル設計。明治27年)の建設から120年、また友愛会館のもう一つの前身である青雲荘アパート・友愛病院(山口文象設計。昭和11年)建設から78年、を記念したものです。

名 称:企画展「ジョサイア・コンドルと惟一館、山口文象と青雲荘」

と き:2014年3月10日(月)~8月30日(土) 原則平日と土曜日の10:00~17:00開館

ところ:友愛労働歴史館展示室(友愛会館8階) 東京都港区芝2-20-12、℡050-3473-5325

「コンドル」展チラシ_R

メールレポート「友愛労働歴史館たより」第77号を発信しました!

友愛労働歴史館が情報提供のためインターネット上で発信しているメールレポート「友愛労働歴史館たより」第77号を、本2月19日に発信しました。内容は1.「ユニテリアンと社会運動」研究会第6回勉強会を開催、2月18日、2.企画展「ジョサイア・コンドルと惟一館、山口文象と青雲荘」を3月10日から開催、です。

メールレポート「友愛労働歴史館たより」は、①友愛労働歴史館に見学のため来館された方、②友愛労働歴史館にメールで連絡をくだされた方などへ、月1~2回の頻度で発信しています。配信を希望される方は、友愛労働歴史館までご一報ください。