明治31(1898)年10月、ユニテリアン教会・惟一館(現友愛会館)の安部磯雄、村井知至、岸本能武太(何れも同志社出身)らは社会主義研究会(会長:村井知至)を結成し、社会主義の研究に乗り出します。社会主義研究会は明治33(1900)年1月に社会主義協会(会長:安部磯雄)と改称し、明治34(1901)年に日本最初の社会主義政党・社会民主党(結社禁止)になります。
村井知至(1861.10.22~1944.2.16。牧師、英語学者)は同志社英学校から神学科に進みますが、安部磯雄らと退学。明治22(1889)年に渡米し、アンドーヴァー神学校で学び、帰国後に本郷教会の牧師になります。その後、ユニテリアン協会に移って牧師・説教者になり、協会機関誌『六合雑誌』に多くの論文を発表しています。
現在は英語学者として知られる村井知至ですが、明治32(1889)年7月に日本で最初の社会主義解説書とされる『社会主義』を刊行し、キリスト教社会主義者とされています。『社会主義』は当時、労働新聞社から出版され、発行人は片山潜でした。その後、同書は1957年に法政大学から復刻されますが、現在は入手困難です。
しかし、2015年に桜那書院(現桜町書院)から『社会主義 復刻版』・定価1000円(税別)として復刻され、販売中です。購入希望者はインターネットで「桜町書院」と検索し、確認の上、手続きをしてください。なお、当歴史館でも希望者に実費(1000円+消費税+送料)でお分けしています。希望者は友愛労働歴史館までEメールで申し込んでください。
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