本3月3日は森戸辰男筆禍事件で東京地裁判決が出されてから100年です。この事件について「広辞苑」(岩波書店)は、「1920(大正9)東大助教授森戸辰男(1888~1984)らの筆禍事件。森戸は経済学部機関紙に無政府主義者クロポトキンに関する研究論文を発表したところ、発行人の同助教授大内兵衛とともに朝憲紊乱罪で起訴、有罪となり東大を失職した。」と記しています。
また、「日本大百科全書」(小学館)は、「東京帝国大学経済学部助教授森戸辰男の筆禍事件。森戸が、1920年(大正9)1月1日付けの同学部内経済学研究会機関誌『経済学研究』第1巻第1号に発表した「クロポトキンの社会思想の研究」が危険思想と攻撃され、政府もこれを問題として、1月10日森戸は休職処分を受けた。14日には森戸と編集署名人の同学部助教授大内兵衛が起訴された。3月3日の東京地裁、6月29日の東京控訴院の有罪判決のあと、10月22日大審院で上告棄却の判決が下された。新聞紙法第42条朝憲紊乱罪により両人ともに東京帝大を失職し、森戸は11月4日に下獄した。言論人や黎明会などを中心に、世論は学問思想の自由に対する弾圧であるとして反対した。」(一部略)と解説しています。
友愛労働歴史館は2018年に開催した企画展「戦後民主化のリーダー 片山哲」(2018.1.5~6.29)の第3部「片山内閣を支えた人々」で、文部大臣・森戸辰男を取り上げて紹介しています(左下スライドを参照)。また、その他の人々として鈴木義男司法大臣、波多野鼎農林大臣、水谷長三郎商工大臣、米窪満亮労働大臣、西尾末廣国務大臣(内閣官房長官)、松岡駒吉(衆議院議長)を紹介・解説しました。
この企画展の解説スライド「戦後民主化のリーダー 片山哲」を、希望者にPDFデータを送付いたします。希望者はEメールで友愛労働歴史館まで申し込んでください。Eメール yuairodorekishikan@rodokaikan.org
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