今から120年前の1898(明治31)年10月10日(推定)、東京・芝のユニテリアン教会・惟一館で「社会主義研究を目的としたわが国最初の研究会」となる社会主義研究会が創立されました。メンバーの多くはユニテリアン協会(米国ユニテリアン協会が設立。キリスト教の一派)のクリスチャンで、村井知至・安部磯雄・片山潜・岸本能武太らがいました。会長には村井知至(同志社卒。牧師)が就任しています。社会主義研究会は1900(明治33)年に社会主義協会と改称し、さらに1901(明治34)年にわが国最初の社会主義政党・社会民主党へと発展しています(結党不許可)。
『社会主義の誕生―社会民主党100年』(「社会民主党百年」資料刊行会。2001年刊行)は、「社会主義研究会の結成」の中で「村井は、以上の佐治実然・神田佐一郎・豊崎善之助・岸本能武太・新原俊秀・片山潜・河上清・高木正義に社会主義研究会設立の目的を説明し、会員としての参加を勧誘、賛同のもとに、おそらく10月10日前後に惟一館で9名が出席し会合したものと推論できる」と記述しています。
従来、社会主義研究会の代表的メンバーとして片山潜(クリスチャン、後のコミンテルン幹部)や幸徳秋水(無政府主義者、大逆事件で処刑される)の名前が挙げられるため、キリスト教色が薄らいでいるようです。しかし、社会主義研究会は「ユニテリアンの村井知至と安部磯雄が設立を協議」し、ユニテリアン教会・惟一館で設立され、最初のメンバーは全員がユニテリアン協会のキリスト教徒でしたから、その設立は「ユニテリアン・ミッション」の一つと言えましょう。
村井知至と安部磯雄は「社会主義は基督教の経済的方面であり、基督教は社会主義の倫理的方面であるというキリスト教社会主義思想の持主」(前掲書)だったのです。社会主義研究会は1898年10月18日に第1回例会を開き、1900年1月28日に第11回例会を開いた後、社会主義協会に改称しています。
お伺いします。11月3日は何か特に催事は企画されておいででしょうか。
この春の催事の際、貴館訪問を考えていたものですが都合悪く中止したものです。今回11月初めに上京を検討中ですが、その期間特段憲法関連の展示は、予定はおありではないでしょうか。