100年前の1920(大正9)年10月3日、賀川豊彦著『死線を超えて』が改造社から出版されました。キリスト教伝道者・賀川豊彦はさまざまな社会改革運動に取り組んだ人物で、労働運動では1921(大正10)年に起きた神戸の川崎・三菱争議などを指導しています。
『死線を超えて』は賀川豊彦の前半生を投影した自伝的な小説とされ、出版されると100万部が売れて大正期最大のベストセラーになりました。『死線を超えて』は何度も復刻され、多くの人々に読まれています。また、映画『死線を超えて』も制作・販売されています。
賀川の一連の著作による印税収入は莫大なものとされますが、彼はその多くを社会運動・労働運動・農民運動・協同組合運動などに寄付しています。総同盟が1930(昭和5年)に友愛会誕生の地、惟一館(旧ユニテリアン教会)を買収し、日本労働会館としたときも賀川豊彦は、日本労働会館建設後援会の一員としてその建設を支えています。日本労働会館建設後援会のメンバーは安部磯雄、賀川豊彦、鈴木文治、新渡戸稲造、吉野作造の5名です。
「愛と協同に生きた、賀川豊彦の足跡を伝える」ため賀川豊彦記念松沢資料館は現在、『死線を超えて』発刊100年記念として『死線を超えて』(復刻刊行会。税込み1540円)と映画DVD『死線を超えて』を販売中です。DVD『死線を超えて』(定価:2750年税込み)は国広富之・黒木瞳出演の映画で、賀川豊彦生誕100年記念事業の1988年に制作されたものです。チラシを参照ください。
賀川豊彦記念松沢資料館 〒156-0057 東京都世田谷区上北沢3-8-19 ℡03-3302-2855、Fax03-3304-3599
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