旧同盟系の文化運動、レクリエーション活動を担った全文協(全国文化運動協会)の創立60年を記念して友愛労働歴史館は現在、企画展「全文協結成から60年、その今日的意義を探る」(2015.12.07~2016.05.31)を開催中ですが、その全文協会長を務めた5名の内、学者出身の3名について紹介いたします。初代と最後の会長は、労働組合出身の上条愛一(UAゼンセン、参議院議員など)と山口義男(日産労連、同盟副書記長など)が務めました。なお、全文協は1996年12月18日、41年の歴史に幕を閉じ、その活動はユウアイネットに引き継がれました。
第2代会長・磯村英一(1903.01.10~1997.04.05):磯村英一氏は東京出身でクリスチャン、都市社会学者。母はNHKドラマ『はね駒』のモデルとなった新聞記者の磯村春子。東京帝国大学卒業後、公務員、渋谷区長などを歴任。その後、学究生活に入り、東洋大学学長など。著作は『都市社会学』など多数。1970年に全文協会長に就任し、1976年まで会長を務めました。また、磯村英一氏は核禁会議(現KAKKIN)の議長を務め、核兵器廃絶運動に取り組みました。
第3代会長・野呂信次郎氏(1909.07.28~1987.10.19):野呂信次郎氏は静岡県生まれ。1937年に青山学院神学部を卒業し、武蔵野音楽大学教授など。妻は東京芸大教授、ピアニストの野呂愛子。『名曲物語』『ベートーベン』など多くの著作があります。1976年に全文協会長に就任し、1982年まで務めました。
第4代会長・江上照彦氏(1910.04.25~1990.09.04):江上照彦氏は福岡県出身。東京帝国大学卒で河合栄治郎門下。社会思想社などを経て相模女子大講師(後に教授)となり、上智大や明大でも英米演劇の講座を担当。『河合栄治郎伝』『西尾末広伝』など多くの著作があります。1982年から1992年まで全文協会長を務めました。
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