4月10日に「河上丈太郎も市川房枝もユニテリアン?!」との記事をアップしましたが、今回はユニテリアン・大山郁夫(政治家)と佐々木ふさ(作家)です。
市川房枝はその著『市川房枝自伝』で、「早稲田大学教授であった内ヶ崎作三郎、第一高等学校教授の三並良、小説家の沖野岩三郎の諸氏が牧師として説教していた。会員には、安部磯雄、大山郁夫、鈴木文治、松岡駒吉、佐々木ふさ氏らがいた」と記しています。
大山郁夫は早稲田大学教授で、後の労働農民党委員長を務めた人物。市川房枝の記述を信じるならば、大山郁夫はユニテリアンであり、彼を含むユニテリアン教会出身の政治家は10名(小山東助、永井柳太郎、星島二郎、内ヶ崎作三郎、安部磯雄、鈴木文治、河上丈太郎、松岡駒吉、市川房枝)となります。
彼らは昭和前期の無産政党・労働農民党(大山郁夫委員長)、日本労農党(河上丈太郎)、社会民衆党(安部磯雄委員長、鈴木文治、松岡駒吉)に分かれますが、「自由の拡張」「社会問題の解決」「キリスト教思想に基づく理想社会の構築」で通底していたようです。
佐々木ふさ(旧姓・大橋房子)は作家で、大正14年に佐々木茂索(作家・文藝春秋社社長)の妻となっています。森まゆみ著『断髪のモダンガール―42人の大正快女伝―』に、「ささき ふさ―都市の高等遊民として―」と紹介されています。佐々木ふさは「洋装」、「モダンガール」、「断髪の先駆者」ですが、一方で大正12年5月にローマで開催された第9回万国婦人参政権大会に出席し、振袖で演説をしています。
一般にはユニテリアンと意識されることの少ない「無産政党の輝ける委員長・大山郁夫」も、「洋装・断髪のモダンガール・佐々木ふさ」も、実はユニテリアン教会員だったということは興味深いことです。
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