友愛労働歴史館と労使関係研究協会は5月13日午後、歴史館研修室において共催講演会「全文協に見る演劇活動、文化・レクリエーション活動」を開催しました。
最初にスライドを用いて「友愛労働歴史館の紹介」「全文協とは」を解説。そのあと、劇作家・舞台演出家の西田了氏が、tテーマ「全文協劇団こだまーその活動とめざしたもの」で講演を行いました。続いて元全文協事務局長の間宮悠紀雄氏が、テーマ「全文協と文化運動、レク活動ー川崎堅雄の提起したもの」で報告を行いました。そのレジュメを以下に掲載します。
全文協劇団「こだま」-その活動とめざしたもの
劇作家・舞台演出家 西田 了
1.全国文化運動協会(全文協)と私の出会い
赤松常子さんのアドバイスがブリッジとなって
2.「よび合うこだま運動」と全文協が合体
「よび合うこだま運動実行委員会・こだま村」初代村長が赤松常子さん
3.全文協劇団「こだま」の誕生
6人からはじまった劇団の仲間たち
4.地域文化活動を推進するグループ「こだま会」と劇団活動がドッキング
文化活動リーダーが中軸となって活動を促進
5.職場や地域の人々が生み出した共感と感動
「参加と創造」は、こうしてつくられた
6.「豊かな人間性の創造」を求めて
演劇文化活動に見る「人間性の追求」
7.労働演劇の先駆的役割を果たした大正時代の2劇団
日本労働劇団(賀川豊彦)、労働劇団(平澤計七)の活躍
以上
全文協と文化運動、レク活動―川崎堅雄の提起したもの―
元全文協事務局長 間宮悠紀雄
1.全文協(1955~1996年)の文化運動・レクリエーション活動
①全文協は1955年、左翼文化運動に対抗する文化運動団体として組織された
<全国勤労者文化協会(全文協)綱領(1955年)>
1)文化を一部階層の独占から解放し、大衆の生活に結び付ける。
2)文化を特定の意図のもとに利用しようとするあらゆる動きを排する。
3)文化人や、文化集団と手をつなぎ、新しい国民文化を創造する。
②全文協は1985年に「人格の成長」を掲げ、友愛会の原点(人間の尊厳)に回帰
<全国文化運動協会(全文協)綱領(1985年)>
1)人格の成長(略)
2)文化の振興(略)
3)共同社会の建設(略)
③全文協は文化リーダー研修会を開き、約6000名のリーダーを育てた
レクリエーションとはリ・クリエーション(再創造。神が創造された人間を、人が再創造する)
2.民主的労働運動の背骨は「人間の尊厳」と「労働組合主義」
①友愛会綱領が掲げた「人間の尊厳」
1)我等は互に親睦し、一致協力して、相愛扶助の目的を貫徹せんことを期す
2)我等は公共の理想に従ひ、識見の開発、徳性の涵養、技術の進歩を図らんことを期す
3)我等は協同の力に依り、着実なる方法を以て、我等の地位の改善を図らんことを期す
②総同盟が掲げた「健全なる労働組合主義」
1)人間尊重の精神
2)労働者の生活と地位の向上を達成せんとする社会正義の精神
3)現実をふまえて改善を積み重ねてゆこうとする現実主義の建設的精神
③同盟が謳った「人間尊重、友愛と信義」
3.川崎堅雄(元同盟副書記長 1903.12.18~1994.05.19)の提起したもの
①14歳の少年・川崎堅雄を労働運動に導いた言葉
「労働運動とは、労働者の生活改善のためにする文化運動である」
②川崎堅雄の提言
1)「労働運動とは、労働者が人間疎外、職場砂漠を克服するためにする文化運動である」
2)「文化運動の基調はヒューマニズムであり、人間尊重。それは同盟の理念である」
3)「人間解放が労働運動の魂であるとすれば、労働運動と人間の心を豊かにし、人間の精神
を高揚、燃焼させることを目的とする文化運動とは、密接に重なり合っている」
4)「全文協の文化運動と民主的労組の労働運動は、同じ基調、同じ土俵に立ち、人を育み、
成長させる」
③川崎堅雄の初一念
労働運動に生きた52年、川崎堅雄が貫いた初一念は「労働者の人間的解放」
以上
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